プラスαを追求する 私たちの歩み
ご高覧頂き、ありがとうございます。
株式会社トーエーは1977年に創業した日本のメーカーです。
「プラスαを追求する」をモノ作りの理念とし、常にお客様が真に求める商品とは何かを考え続け、数々の商品を世に送り出してきました。
会社を代表する商品と言えば革靴のツヤ出しスプレーである「ビューティーシャワー」 です。製造の出発点を辿ると、話は明治の文明開化時代にまで遡ります。
当時、西洋から様々な文化が伝来し、その中でもファッションは着物から洋服へ、履き物は下駄・草履から革靴へと大変革を迎えた時代でした。
その頃のお手入れ方法といえば、靴墨がほぼ全てといっても過言ではない状況でしたから、一生懸命磨き込まなければならず、手が汚れることも避けられませんでした。今でこそ時代錯誤と一蹴されそうですが、当時は主婦の仕事とされ、家族皆の靴の手入れをしなければならない風潮でした。
「他にもやるべきことが山ほどあるのに・・・」
靴墨に変わる何かを消費者は潜在的に求めていました。
実は1970年代にはアメリカからの輸入品で、合成樹脂を主成分としたツヤ出しスプレーが発売されていました。ところが、ツヤを求めるほどに被膜が厚くなり、革を傷めてしまっていたのです。かといって被膜を形成せずツヤを出そうとすると、今度は持続性が足りず、何度も何度も手直しが必要でした。こうした粗悪な製品はやがて淘汰され、ほどなくして市場から消えていきました。
ビューティーシャワーはこうした課題を乗り越えるべく、日夜研究を重ね、保護膜を形成しながらも、革を傷めず、なおかつ持続性・防水性能を長持ちさせる製法にたどり着き、1978年に発売できるようになりました。仕上がりの良さは元より、「スプレーするだけで磨く必要がない」「持続性が高い」「カビ防止にもなる」「革の色を問わずに使用可能」「汚れ・キズ・水に強くなる」など多くの付加価値を携えて皆様にお披露目することとなったのです。
競合他社に出遅れこそしましたが、そのハイクオリティが認められ、発売から40年以上経過した今でも他の追随を許さない唯一無二の商品として愛されています。消費者の皆様にはもちろんのこと、靴の小売店様や修理業をされているプロの方々からもお褒めの言葉を頂き、仕上げ剤としてご使用頂いている業者様もいらっしゃるほどです。
とはいえ、ビューティーシャワーはお化粧品のような役割。適切なタイミングで革靴を洗浄し、素肌に戻す作業は必須です。これもまた、当時の一般的なクリーナーでは十分な汚れ落ちが実現出来ていませんでしたから、それならばと次の製品「スペシャルクリーナー」の開発へと繋がっていくのですが、思いの丈を全て綴ると長くなりすぎてしまいますので、ここで一区切りとさせて頂きます。
これまでも、これからも皆様の声に耳を傾け、愚直にモノ作りをし、一緒に歴史を紡いでいければ何よりの喜びです。